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筒井の「現実=虚構」と言う持論と卓抜した言語感覚を活かした奇想天外な実験小説。「言葉狩り」への反骨精神もあるのか、作家である主人公がこの世から文字が段々と消えていく様を"小説"とした描いたもの。文字が消えると、その文字を使用した名前を持つ人間、物質も消える。 この趣向が分かった際、ドタバタに逃げるしかないと予想したが、どうしてどうして。消えた文字が少ない間は、同時に消えて行く家族への感傷小説(題名は娘への想いを綴ったもの)。文字数が1/3程度減った段階で、筒井には珍しい情交シーン。文字数が半分前後まで減った時点では、文壇批判と自伝。本当に使用可能な文字が減っているのかと疑うほどの自然な文体で驚かされる。自伝の途中で、残っている文字数が1/3程度になって、流石に同じ単語や同音異義語が多くなり、文章に不自然さが見られるが、これが歪んだ過去と共鳴し、読む者に不思議な印象を与える。それにしても、普段は自伝や
女は男に従っていて当たり前、俺は今までお前らを養ってきた、などと考えている男にとって、女はこんなことを考えているのかということを痛感させられた。「バス・ストップ」では浮気する亭主に料理、洗濯、掃除と最高のもてなしをする妻、それに慣れされたところで突然離婚を切り出し男も同意するが、新しい妻は料理、洗濯、掃除ともにできず、離婚した妻の復讐と考えるとぞっとしてしまった。また、「終の季節」では、夫が仕事をくびになると同時に離婚を迫るという話だったが、ここまで妻、娘に相手にされない男がいると考えるとひどく悲しくなってしまった。いろんな話があり、どれもおもしろく読めたが、どれも結末が容易に想像できてしまったためちょっと残念だった。
筒井の「現実=虚構」と言う持論と卓抜した言語感覚を活かした奇想天外な実験小説。「言葉狩り」への反骨精神もあるのか、作家である主人公がこの世から文字が段々と消えていく様を"小説"とした描いたもの。文字が消えると、その文字を使用した名前を持つ人間、物質も消える。 この趣向が分かった際、ドタバタに逃げるしかないと予想したが、どうしてどうして。消えた文字が少ない間は、同時に消えて行く家族への感傷小説(題名は娘への想いを綴ったもの)。文字数が1/3程度減った段階で、筒井には珍しい情交シーン。文字数が半分前後まで減った時点では、文壇批判と自伝。本当に使用可能な文字が減っているのかと疑うほどの自然な文体で驚かされる。自伝の途中で、残っている文字数が1/3程度になって、流石に同じ単語や同音異義語が多くなり、文章に不自然さが見られるが、これが歪んだ過去と共鳴し、読む者に不思議な印象を与える。それにしても、普段は自伝や